舞台という祭りが終わったあとに、日常生活にすんなりとは戻れず、社会から置いて行かれるような、そんな感覚に陥る昔。そんな昔を思い出す。印象に残った背中を思い出す。背中。女優の背中。舞台裏で出番を待つ女優の背中。何か頼りなさげで、でも凛としている背中。正面の女優の艶やかさと、背面の女優の逞しさ。この身体のエネルギーは、祭りが終わったあとは、どこに発していくのだろう。何だかせつなくなるんだ。祭りが終わったあとのあの物悲しさよ。